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ズレている賃貸集合住宅の計画とは

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土地を有効活用させた賃貸集合住宅をつくることが、私の仕事です。
同じ事業をしている大手建設会社の営業マンから、集合住宅が完成
したということで、完成内覧会の招待をうけたことがありました。

内覧会当日。完成した集合住宅のエントランスは豪華絢爛の石材貼。
そして、量販店の大売出しよろしく、ハッピを着た大勢の担当者達。
その中に、私を招待してくれた営業マンがいました。

私:随分、お金かけた建物ですね。借入や利回りは、大丈夫なの?
営:オーナーから、全て任されてますので。ゴージャスでしょう!


賃貸部分の室内も、建具やクロス・床材の仕様など高級なもの。
ただ、見れば、どれも大手住宅建材メーカーの既製品のようだ。
どうせ高価な仕様にするなら、無名メーカーの製品でも、無垢材
のフローリングの方が、長持ちして風合いも出るのに‥。
システムキッチンも、こんなに上位グレードのもの、必要なのか?

私:テナントさん入替り時の、原状回復の工事が大変じゃないの?
営:それより高級感です。その方が、よいテナント入りますから。
(‥違うな。よいテナントさんは自身のライフスタイルに拘るのだ。
  シンプルで勝手がよく、メンテし易いことのほうが大切だ。)


内覧を終えるころ、営業マンの上司の課長さんが挨拶にこられた。

課:いや~、ホームページ拝見しましたよ。
  SOCIUSさんは、デザインに凝って設計されるんですね。
私:いえ、デザインを凝ろうと設計したことは、ありません。
どうしたら、効率のいい集合住宅にできるのか。
どうしたら、コストを抑えた計画にできるのか‥。
それを突き詰めているだけです。
それを突き詰めていくと、自ずと洗練された形になっていきます。
集合住宅の設計とは、そうゆうものだと考えています。

営業マンと上司の課長さんとは、当り障りなく、その場で別れた。
あまり、わかってもらえていないのだろうな。


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